「人生100年時代」となった今、最も予防すべき病気の一つは「認知症」です。
80歳以上で5人に1人、90歳以上で5人に3人が認知症になるといわれ、長生きするほど避けられない病気です。認知症の予防としては「運動」と「睡眠」が極めて重要であります。今回は「運動」と「睡眠」の他に、認知症の予防に役立つ方法をお話します。
①つながりを大切に、孤独を防ぐ
「社会的つながり」が多い人は、「孤独」な人と比べ、認知症のリスクが46%低下したという研究があります。ご近所さんとの会話、お友達とお茶をする、町内会の催しに参加する。習い事をするなど、何でも良いので、週に2~3回以上、人と会う予定が入っている事が重要です。それから「子供や、孫に会う」のも良いことです。楽しいですし、体力も使います。孫などをつれて高齢の親に会いに行くことが、親の認知症予防につながるのです。
②大人の学び、認知的予備能の働き
世界の認知症研究では「学校教育を受けた年数が短いほど、アルツハイマー病及び認知症のリスクが高くなる」という結果が出ています。沢山のことを学んだ「認知的予備能」が高い人は、多少の神経細胞が死んでも、脳のニューロン間の代替経路を使用することができるためです。つまり、沢山学んでいる人ほど、認知症になりづらいのですから、高齢者になっても、リタイアしたあとも学び続けることが重要です。
③趣味を持つ
「趣味」の活動は、「学び」につながり、認知症の予防になります。また、趣味を通して、友達なども出来やすく、人と会う機会も増えるので「孤独」の予防につながります。認知症に予防効果があるとされる趣味は、ダンス、楽器の演奏、将棋、囲碁、読書などです。いずれもスキルを獲得するのが難しく、スキルアップに際限が無いという共通点があります。
④糖尿病、高血圧を予防する
アルツハイマー病は、脳の糖尿病ともいわれ、糖尿病をもっているとアルツハイマー病を発病しやすいと言われています。また高血圧は、脳血管型認知症と、アルツハイマー病の両方のリスクを高めます。糖尿病、高血圧をよぼうする、あるいはきちんと治療することが、認知症の予防には必須です。